考えるヒント コロナ下のテレワーク営業

世の営業の方々の参考のために、書き記すことにした。

1.コロナ下とポストコロナの区別

「コロナ下」とは、コロナのワクチンが出るまでの期間である。いくら治療薬が手に入ることになっても、コロナ非感染者は、いつ感染するか分からない。

コロナ下の期間は、やはり3密を避けるために、テレワークが推奨されることになる。一般的には緊急事態宣言が解除されたら、ポストコロナになり、経済再生に向かうと思われているが、そんなに簡単ではない。

「ポストコロナ」は、コロナワクチンが実証試験が終わり、認可されて世の中に出た時点から始まる。それまでは、コロナの抗体を持たない人が、コロナ陽性無症状の人と打ち合わせを行うことは感染の危険がある。

現在、コロナ抗体を獲得している人に抗体パスポートを与えようという検討が進んでいるが、このコロナ抗体がいつまで有効か、本当に2度とコロナに罹患しないのか、コロナを人にうつさないかなどが明確ではない。

とにかくポストコロナに入るまでは、全体的にテレワークが推奨されるだろう。テレワークで大いに困るのは、営業だ。もちろん製造現場もテレワークは問題だが、交代制は取れる。営業は担当顧客が決まっているので、交代制はやりにくい。

2.営業のテレワーク

今までのビジネス形態では、営業はテレワークでは、だれもが大いに戸惑うはずだ。従来のほとんどの営業は外にでかけて、お客に会ってなんぼのものだからだ。電話を掛けるのは、営業訪問するための準備のようなものだ。

どうすればよいのだろうか。営業が動けなくなると、会社は注文を取れないので窒息する。ほとんどの既存の企業の営業は顔出しが必要だ。私の場合も、お客と顔を合わせずに注文を取ったことなど、33年間の商社マンをしていて、一度もなかった。

特に商社のプロジェクト・ビジネスは、オンラインで注文が入ってくるビジネス形態ではなかった。何度もお客と会わなければいけないのだ。それもお客はこちらの営業品目と項目に関心も知識も無い。営業の基本が顧客への繰り返す訪問と説得であった。これは心理学でいう「単純接触効果」(Mere exposure effect)である。繰り返し接すると、好感度や好印象となる現象を活用している。

もっと言えば、既存の(他の競合社の)サプライヤーで、不満はあるかもしれないが、そこそこ満足していることが多い。その時点で、まったく別次元のメリットを説明して、我々が面談をお願いして、自社の製品やサービスのプレゼンをして、納得してもらうのに、顧客の人脈を探し、アポの取得から始まって、説明、カタログ、実績、仕様、メリットの試算と実証、サンプルの納入と試運転、工場見学(すべて私がやっていた仕事の形態)などを続けて、受注する。時には、お客と食事をして、一杯飲むこともある。

こんな回りくどい方法で、受注して、既存の競合社のシェアをひっくり返して納得していただくのが営業である。それが今回のコロナでテレワークが推奨されたが、この状態で、営業はどうすれば良いだろうか。

こうなった限りは、考え方を変えて、「コロナ下は、大きなビジネスチャンスかも」と、営業としてはそのように考えるべきだろう。競争相手も、同じ条件だ。もし、競争相手が、この期間、あるお客をあまり連絡を取っていないとすれば、そこにビジネスチャンスが生まれる可能性がある。ある顧客が、競争相手の長年の顧客であると、そこに油断が生じて、サービスが低下することが多い。適当にやっていても、注文が自動的に来るように勘違いしていることもある。

日頃、競争相手の製品が問題を起こしているとなおさらだ。そのような顧客を日頃調べておくことも大事だ。

3. 強力なモバイル・テレワーク営業環境を作ること

 ①社内にはクラウドにバックアップされたサーバーを配置すること。そのセキュリティは、最高レベルのものを使い、ITセキュリティ管理会社にモニターさせること。

 ②個人には、高性能で堅ろうで軽量なノートPC、同様にスマホ、モバイルルーター、モバイルバッテリー、アイデアマラソンのノート、電子ノート(富士通のクアデルノ)を揃えること。それらすべてを入れる安全で、防水のカバンも揃える。ノートPCでは、Storageの大きさよりも、強力な通信をダブルで使えるシステムが良い。クラウドで資料を取り出せるようになっている。5Gと通常の4Gが並行して使えることだ。

③自宅では、高性能マイク、ヘッドホン、Webカメラ、セカンドディスプレー、PFUの縦型スキャナー、カラープリンターなど、仕様を統一して配備すること。

 ④Lineで、常に全員と連絡を取れるようにする。Lineの着信は音ではなく、スマートウォッチなどで、物理的に見逃さないようにする。

⑤名刺の管理を統一すること

 既存手中の名刺を営業だけでなく、幹部も、場合によっては社長、副社長、全取締役群の名刺も活用できるように統合すること。Sansanなどの名刺管理サービスの利用も良い。

 ⑥営業は、自宅だけでは完結しない。回数は大きく減っても、かならずいつかは、お客のところに出かけなければならない。

⑦(当面は)営業支援、生産技術支援、システム支援で事務所にスタッフを何人かを交代で置くこと

⑧新人の営業現場でのOJTは、ポストコロナまで難しいかもしれない。事務所でのサポート業務をやらせると良い。

⑦電子ハンコ・署名システムの導入で、上司・役員の許可をいつでも取得できる環境をつくること。お客の要望に直ちに対応できるようになっていることが必要だ。

4. (基本の基)既存の顧客を大切にすること、サービスと連絡を密にする

 営業の夢は、激しい競争を勝ち抜いて、新しい顧客を得ることだが、このコロナ下では、まず今までの顧客を大切にして、テレワーク期間のコンタクトを確立することから始めなければならない。新しい顧客を追い求めていたら、いつの間にか、いままで付き合っていた既存の顧客を競合社にとられてしまう。一端顧客を取られてしまうと、取り返すのに何年も掛かる可能性がある。これはコロナがあっても無くても非常にまずい。

 では何ができるだろうか?

テレワークでは:

①連絡を密にすること

 訪問できなくても、メール、電話、手紙、これら3つの手段を「密」にすること。オンゴーイングの仕事があれば、連絡事項も堂々と電話できる。

納期もコロナで遅れるかもしれない。まったく知らせないで、ほったらかしにしてはアウトだ。もっとも安定した顧客でも安心してはいけない。

②顧客とテレビ会議ができるか

 できれば、顧客と画像での打ち合わせを持つ努力をする。資料の共有と説明は、テレビ会議の良い理由だ。ラインにせよ、Skypeにせよ、Zoomにせよ相手を登録できるので、テレワーク上で更に詳しく打合せすることが可能になる。テレビ会議ができない他の新しく参入しようとしている競合社より、何歩も先を進んでいることになる。相手の顔を見ながら営業ができる。これがテレワーク時代の営業の重要な一歩である。

②既存のお客の新規注文や様々な要求への対応

この時期の既存のお客からの注文や要求は、会社の底力を見せる大きなチャンスであるとともに、その既存のお客に強い印象を残し、今後とのお客は良き顧客であり続けてくれるだろう。この激動の時期だからこそ、そのお客のために、社内の生産や工場に無理を通すことも起こりえる。修理や保守の要求なども増えるかもしれないので、社内でシミュレーションをしておくことと、特別の営業支援の技術行動部隊を編成しておくことも必要かもしれない。更に、普段、技術や工場やサービス部門との良い関係を作り上げておくのが営業である。

5. 新規のお客

①テレワークの営業の基本形

テレワークであるから、電話を使って、売り込みをかけることになるのは、コロナ以前と同じだ。

 あるいは、顔だけでも見せにいくことや、営業のツールであるカタログ類、会社概要を渡すことも必要になる。

 もちろんヤマトのDM便やゆうパックの封筒にいれて、製品カタログや会社概要を送るのが普通だが、その際には透明プラスチックの袋に詰めて、きちんと封をして送るのがコロナ下のウイルスフリーに見ていただくマナーとなる。 

問題は、テレワークでありながら、いつかは、新規のお客を訪問しなければならなくなることだ。

 そんな時には、出かけなければならないのが営業である。コロナに感染したくなければ、ラッシュや混雑している電車やバスに乗ることは良くない。

電話にて顧客とある程度打ち解けて話ができれば、ラインや、Zoomで話ができるように持っていくことがコツだ。

②外出と客先訪問の必要な時

 コロナで外出をする場合には、マスクをするのは当然だが、お勧めするのが、アイデアマラソン研究所で考えた、紙のマスクを二重にして、中に畳んだガーゼをいれておく。そうするとマスクが口の周りでふんわりと膨らむ。その上に更にウレタンのマスクをつける。

 これでマスクは鼻の横も、両側の頬でも隙間がなくなり、ぴったりと留まる。息は苦しくない。マスクは鼻の横と頬がカスカスに開いていると、まったくウイルスに無防備になってしまう。

 顔に密着させることで、唾液とともに空中を漂うウイルスは、ある程度捕獲できるとされている。厳密に言えば、ウイルスを吸い込む量を最小限にすることができるのかもしれない。発病が遅れたり、軽く始まるかもしれない。

 紙マスク二重の上に、ウレタンマスクを付けることで、欧米の医師や看護師よりも多少は安全になるのかもしれない。

 口の前のガーゼは、口の湿気を保ち、話しやすくできることから、おすすめだ。マスクは一度外したものは、二度使うことは問題があるので、二枚の紙のマスク+ウレタンマスク+折り畳みガーゼをセットにして、ラップで包んだものを2セット余分にカバンに入れておくと良いだろう。更にポケットには殺菌ジェリーの小瓶、使い捨てのビニール手袋を数枚入れておく。

 顔に密着するマスクは、メガネをかけている人にはメガネを曇らせない効果が非常に大きい。

 それと、今後のコロナ下での絶対に必要な装備はフェースシールド、フェースガードである。透明プラスチックの曲線の板をマスクをした顔の前に付けて電車に乗ることだ。私はすでにバスでも電車でも歩いていても、フェースシールドを付けている。マスクだけで無防備だということは、医師団が入院しているコロナ患者を診ている姿で分かるだろう。今後は、三重マスクをした上に、透明プラスチックのフェースシールドを付けるのが電車に乗るマナーになるだろう。

③公共交通機関をできるだけ避ける

都内なら、主要な駅にはレンタルの電動アシスト自転車が極めて便利である。その利用にはスマホから専用アプリで申し込める。そして、走り出す前に、サドルとハンドルのグリップをジェリーの殺菌液でふき取ることだ。

走行中は極めて爽快で、ウイルスフリーの環境である。

 昔、私は物産から通信会社に出向して、営業部長をしていた。その後半は、スクーターで自宅から出向先の通信会社に通勤していたが、バスと電車では、45分掛かるのが、スクーターでは、10分だった。この35分は、往復で1時間。これは何とも魅力的だった。会社はスクーター通勤は認めなかっただろう。その当時はスクーターの駐輪はほぼ自由だったから、どこにでも停めることができた。

 その内、このスクーターを使えば、お客のところを都内なら、普通の電車、地下鉄、バス、タクシーに乗るよりも3倍の客先の数を廻れることが分かった。これは営業成績でがんがん圧力を掛けられていた当時では、大きな秘密兵器だった。普通に行けば30分掛かるお客からのクレームに、スクーターで5分ですっ飛んで行って、お客に、「ど、どうしてそんなに早く来れたのですか」と驚かれて、「ヘリコプターを使いました」と言うと、お客が笑い出して、クレームの怒りが吹っ飛んだことがあった。

 朝一番から主要な既存のお客を廻り始めると、夕方までに8社回ったこともある。やはり訪問の数で注文の量が決まることがあった。もちろんこのような社内のルール違反の状態で、交通事故は絶対に起こしてはいけなかった。

お客との面談でも、今後はフェースシールドを付けて、2メートルほど離れて行う必要がある。潜伏期間のあるコロナでは、これくらい注意していて当たり前だと思う。

考えるヒント

ここでは私の営業経験からの思いついたことを参考までに書いたが、まだまだ一杯、営業のコツやヒントやアイデアがあるはず。

(1)もし営業として仕事をしているなら、何か自分なりの得意技はあるか

(2)コロナ下のお客へのお土産は何が良いだろうか?食べるものは、難しいね。

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