考えるヒント アイデアマラソン哲学 22 思考の広がり&深まりと発明の順序 

私たちの思考の広がりと深まり(あるいは高まり)、そして発明に至るプロセスには、時間を掛ければ、アイデアマラソンによって舗装されたルートを歩むことができると分かってきた。誰にでもかなり素晴らしい発想を出すことが可能だと分かってきた。

(1) 原始思考段階

思考はしていても、それを発想扱いしないし、書き留めて実現しようとしない生活のことを言う。読み書きできることを単なる道具として扱っている。

考えついても書き留めるわけではない。もちろんパソコンに入力するのでもない。記録は取らない。

人と話していて何か良いことや工夫を思いついて話しても、書き留めていないから、話した相手が実行しても、自分の考えとは主張できない。会議で思いついたことを会社に提案し、実現しても、みんなで出したことになっている。それに異議も持たない。自分はある程度は発想の能力はあると思っているが、そんなに秀でているとは、自分でも信じていない。この状態で数十年生きてきた。これからも変わらない。

大半の人間がこの状態にある。できる人、知っている人は、必ず書くことを自分の行動の一部にしている。

書くことを面倒だと考える人は案外多い。数百年前まで限られた支配層だけが読み書きできた。ほんの150年ほど前に、富国強兵のために全国民の教育が進められ、私たちは読み書きの能力と権利を手に入れた。

人々は、現在でも、読み書きの能力を娯楽と便利な生活の道具とみなしているにすぎない。「読み書き」に、「読み考え書く」とすることで、創造性を自ら高めて、新しい知の時代を創ることができるというのがアイデアマラソンである。私はアイデアマラソンによって私たちの脳を進化させることも可能だと考えている。

論点を少し外すと、自然の摂理の一つに、どうもすべての動物の進化をゆっくりとするというのがあるように思う。生き物の進化が早すぎると、進化の終点に達して自滅することもあるかもしれない。

読んだり、考えたり、書くことで、脳への刺激が大きく、進化が加速されるとすれば、「読み、考え、書く」というのは、自然の摂理からも早すぎる気もする。しかし、とにかくアイデアマラソンは、開始して継続しないと何も起こらない。

(2) 知的意識覚醒瞬間(アイデアマラソン哲学に出会い、自分の創造性を試そうと考えた瞬間)

 ブログや著書で樋口健夫がしつこく言っている「毎日何かを考えて書きとめれば、創造性を自主啓発できて、人生が変わる、視点が拡がり多様化する」を試してみようと考えた。「簡単じゃなさそうだ」と思ったが、たまたま新しいA5ファイルノートがあり、美味しいコーヒーを飲んで、天気も良かったからだ。

 考える課題は、いくつかあった。まず中長期の計画立案、現在の自社商品の問題点解決、そして育ち始めた家族の教育計画、教育費の計画などだ。

 アイデアマラソンのルールに従って、「今日からアイデアマラソンを開始する」と宣言を書いた。

 中長期の計画では、現在の業績が頭打ちになっているから、新規開拓を進めるとまでは、みんなが言っている。では何をすべきか?無理をすることもない。今、自分で考えられることを発想として書こう。今までの計画でも書いてきた極めて常識的なアイデアから書き始めた。

 自社商品の問題点解決の前に、問題点が何であるかを書いてみようと、問題点を発想扱いした。

 こうして、コーヒーが半分冷めてしまったが、書き残した発想は15件。開始としてはまあまあだ。

 ノートを脇に挟んでいたら、その日に、さらに5件ほど、これら3つの部門で書き留めることができた。1日に20件の発想!意外とやるじゃないか!と思った。気持ちよく寝られた。

ここで大事なことは(明日もこの課題を引っぱって、考えて書いていこう)という気持ちを持っていくことだ。

このノートを持って、通勤の電車では始発に乗るから必ず30分間、座っている。その内15分を、この思考と書きとめに使ってみようと考えた。

3週間のアイデアマラソンの慣らし運転は、三日坊主、単純に忘れること、飽きることなど、創造的能力と関係の無いことで、停止してしまうことが多い。

 とにかく3週間を自主的に続けることができれば、これはアイデアマラソンを生涯活用できることを証明している。

 開始した後、しっかりと、ゆっくりであるが、毎日、一応続いた。最初の日のように20個を書くことはなかったが、3個程度は書けた。

 思いつかなかったら、計画や問題を掘り起こした。過去に考えた発想も思い出して書きとめた。こうして、書いてみると、意外とすっきりとした気分になる。そして、ひょっとしたら、自分はこれを続けることができるのではと、感じ始めた。

 3週間が過ぎた。その間に書き留めたことが、全部で90個も書きとめているではないか!自分でも3週間続いたことで驚いている。普通は3週間の間に75%が止めてしまう。その試練に耐えたのだ。

3).長期間積み上げ累積発想方式

 アイデアマラソン哲学は、開始して3週間後が、「真のアイデアマラソンの出発点」である。そして、毎日何かを考えて、書き続けること。ありとあらゆる分野で、考え書き留めていくことで、ノートに書かれる発想(あるいはスマホやパソコンに入力される発想)はどんどん増えていく。

 単純に1日に1個として計算すると、1年で365個になるが、毎日、アイデアマラソンを実行する人は、ほとんどが毎日数個を書き留めている。何年か経つと数千個になる。

 ゆっくりだが発想の数が加速されていくことも多い。

 「毎日何かを考えて書く」と自分で自分に課すこと。誰からも指示されたり命令されたりしないで、自分でやる気を保っていくことが自主的な創造性の開発のキーポイントである。

 毎日、ありとあらゆる分野の発想を探すこと。極端には何も手掛かりがない状態でも何か発想のネタを探して、考えて、書いていく。一日の終わりまでに、寝るまでに、必ず考えて書くまでは寝ないと決めて、私は36年間続けてきた。

 これを続けていくと、対課題対応度が強化される。どんな課題を与えられても、頭が真っ白にならないで、何かを必死に考えようと、それも高速回転で動き始める。それが長期間継続蓄積型のアイデアマラソンの最大の特徴なのだ。

 蓄積された膨大な発想の中には、体験的に0.3%程度の良い発想が混ざってくると信じてきた。だから特定の課題では、0.3%が実数になる300個を最低目指して発想を出し続けてきた。この0.3%の仮説から素晴らしい企画や発明が出てくる可能性がある。

 アイデアマラソンを継続することで、脳の創造的活性化を進めることができる。

4) 緊急事態対応の高速脳

 何年も、何年も、この蓄積型のアイデアマラソンを続けていると、脳は必ず瞬発力を付ける。アイデアマラソンで、発想が出なかったら1日を終わらせることができないのであるから、脳は高速で思考せざるを得なくなる。このアナロジーとして、会議や打ち合わせの時に、とっさに発想が必要な時、脳は緊急事態の対応を取るようになるのだ。

 アイデアマラソンをやっているのが私一人なら、良い発想としても、まだたいしたものではないかもしれない。しかし、同じグループの数十人、同じ会社の数百人が私と同様に発想を毎日考え続け書き続けたとしたら、これはもう大変な創造性の総力となるだろう。

 将来においては、私が発想を思いついてノートに書きとめた瞬間に、その発想はデジタル化されて、ネットワークに送られる。そしてアイデアマラソンを進めている世界中の何百万人もがそれを読む、あるいは観るのだ。

 そして偉大な発明や発見ができるようになる。

考えるヒント

(1)30分の空き時間の出るところを探そう。(例、毎日の喫茶店、車内など)

(2)15分の空き時間の出るところを探そう。

これらにアイデアマラソンを続けよう。

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