鬼北町に1週間ワーケーションで滞在したが、町営のコワークスペース@Warmthに宿泊した。
ここは最新鋭の設備を持っていて、町民や学生が自主的学びを可能としており、さらに1日3組だが、宿泊できるようになっている。風呂はないが、きちんとした新しいシャワールーム、洗剤自動投与の全自動洗濯機などもそろっている。
台所の設備が完璧にそろっていて、調理道具と食器も用意してあった。
「この台所を使って良いのですか」
「もちろんです」と言われた。何不自由なく滞在できた。
この@Warmthで、電動自転車を借りられて、町に繰り出した。
近永が鬼北町の中心だ。ぐるっと回って、立派なスーパーに立ち寄り、私はキャベツ半分、人参2本、タマネギ、トマト、キュウリ3本を買った。近所の方から、かごに山盛りの柿があり、『ご自由に』とかかれていたので、私は毎日2個程度食べていた。秋の味覚はそろっていて、パンやシャインマスカットも買ってきた。私は「朝ベジ」である。通常、朝食に大量の生野菜を食べるのが私流の健康法だ。2日分ずつのベジタブル朝食サラダを用意した。朝、膨大(ボール大の略)な朝食なので、昼食はほとんど食べない。
食べても、パン一切れとしていたが、夜はどこかに出かけようと思っていた。
最初の日の夜は、近所のスナックで生ビールとチキンのソテー。
二日目は、スーパーで買ったローストビーフと野菜。
午後は@Warmthの所員に調べてもらい、JR予土線で、近永から2つ目の温泉駅に行った。
三日目は、小学生向けのロボットの体験会の後、土砂降りの雨となり、冷蔵庫に入れていたローストビーフ、ハム、野菜を総ざらい。ビールは買い置きしていた。
これで十分。リラックスしたワーケーション。
雨が窓に叩きつける音を聞きながら、私はメールを見て仕事をしたり、エッセイを書き続け、スケッチを毎日何枚か描いた。
四日目の午前中は鬼北町の日吉地区にある歴史民俗資料館(旧日吉町役場)へ行った。
立派な建物で、中に入って驚いた。鬼がいっぱい。鬼北町は日本全国で、鬼という漢字が入っている唯一の自治体である。鬼ケ峰山系から付けたものだが、私は鬼北町に到着して初めて知ったのは、鬼北町の人々にとっての鬼はパワーだということだ。悪いことをするのでなく、むしろ守護神として考えている。
鬼北町では過去10年間、鬼をモチーフとした造形コンテスト「鬼の造形大賞」を実施してきた。毎年100件ほどの応募があり、ありとあらゆる形の鬼が出展される。
2025年10月末に11回目のコンテストの締め切りだったが、現在は10回目のコンテストで出展された鬼たちが勢ぞろいしていた。その見事なバラエティとアイデアは、見ていて飽きないもので、芸術性も高いと思った。鬼北町へ行けば、歴史民俗資料館は必見だ。
夜はまったく決めていなかったが、私のアイデアマラソンの講演をお聞きになった方から「一緒に食事でも行きませんか」とお誘いを受けた。
彼の車で、どんどん走って、何と隣の宇和島の料理屋さんまで走り、そこで「宇和島鯛めし」をごちそうになった。
宇和島鯛めしは、釜飯ではなく、熱々のどんぶりご飯に採れたての鯛の刺身を置き、出汁とお茶を掛けて食べるものだ。初めて食べたが、これは旨かった。
宇和島鯛めしは、愛媛全域に徐々に広がりつつある人気のメニューである。お誘いしていただいた近所の方にも感謝。
