耐洪水ピロティ(高床)式集合住宅が解決策

 先日、耐洪水ピロティ(高床)集合住宅を紹介いたしました。

 このコンセプトは、慢性的に発生する洪水に対して、住宅への被害を最小限に食い止めるための方策であり、阿部寧の原案に基づき樋口健夫が修正を加えたものです。

 先日の提案では、現実的でないところがいくつかありました。それは隣接する道路も高架式として、建設することを提案しています。

 しかし、道路を高架とすることは、膨大な建設費用からも不可能であります。阿部・樋口にて協議して、道路は洪水が起こっても、あとで泥や堆積物を掃除することで、再び使用することができるようにすればよいと考えたのです。

 最初、道路を高架にした理由は、住民の必然の足である車も住居とともに守る必要があると考えたからです。今回の修正提案では、集合住宅には自走式の高架駐車場を併設して、住宅と車を守り、洪水後のモビリティを守ろうということになりました。

 したがって、今回の挿絵(阿部寧描画)では、建物外部自走式と建物下部自走式の自動車用傾斜通路を併設しています。ごらんください。

通常時(洪水の無い時)自走式車両駐車場侵入傾斜

建物下部を利用した駐車場進入口の詳細(阿部寧描画考案)

洪水時自走式駐車場付き、耐洪水ピロティ(高床)集合住宅

自走式車の駐車場への進入部分の断面図

 世界中で、洪水が発生しています。アマゾンでは、毎年増水することを前もって知っていることから、住宅が高床式になっています。

 しかし、近代的な耐洪水ピロティ(高床)集合住宅は、未だ人類の住宅の歴史にはありません。世界で初めての洪水と共存していく集合住宅をここでは提案しています。

 阿部寧の説明では、現在の技術では洪水が押し寄せても、その建物の基礎と構造は、洪水に十分耐えることができる強度を持たせることが可能です。

 洪水が何度も襲っているところは、もはや一戸建てを再建するよりもこの耐洪水ピロティを導入する時が来ていると思います。

 今までは一戸建ての家に住むことを基本として生活してこられた方々には、集合住宅は、新しい地域の協力とふれあいができる場として考えていく必要があるでしょう。家々を集合させて、空いた土地は、自然にもどしたり、広い畑や田んぼにしていくことを考えないと、あの床上浸水した後の、とんでもないわずらわしさや、車を失った後の喪失感は、二度と味わいたくないだろうと思います。

 世界で初めての耐洪水ピロティ集合住宅は、世界中の耳目を集め、見学者が絶えないことでしょう。

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