考えるヒント 親子のアイデアマラソン 子どもたちの反抗期はどこ行った

私の家族は、ヨメサンと息子たち3人だった。すでに全員が結婚しているので、家か

ら離れた。家には私とヨメサンだけ。

 子どもたちが小さい時に、私はアイデアマラソンを開始していたが、アイデアマラ

ソンの継続では、「何について考えるか」を考える必要があった。それも毎日。

家にはヨメサンと子どもたち3人。

 時に「何か考えるネタくれ」とヨメサンに頼むが、最初の内はまだよかったが、後

になると「そんなの自分で考えるのよ」と突っ放された。仕方ないので、子どもたち

のところに行って、「父ちゃんが考えるネタ、くれない?」と頼むと、まじめに「う

んうん」と考えて、二男が「じゃ、『はさみ』」とか、言ってくれる。(仮の例)

「『はさみ』か、…、はさみの形をした懐中電灯?」

「なにそれ」

「はさみをパクパク開けたり、閉じたりすれば、発電できて先っちょでランプが点く

んだ」

「いいね!」(とすぐに感動してくれるのも、子どもたちだ)

「じゃ、ぼくも考えた。はさみの形をした楽器だよ。開けたり閉じたりすると、こす

れて音がするの。叩いて音がするのもいいね。2つ出ちゃった」

「すっごーい。それお前のノートに書いておいた方が良いよ。絵も。新しいノートあ

げようか」

「うん」と、こんな具合で子どもたちのアイデアマラソンが始まったのだった。かな

り早い時期だった。アイデアマラソンを家族のいるところで実施すると、

自分の考えた面白い発想を子どもたちに話すと良い。どんどこ話すと良い。そうする

と、子どもたちは更に連想・空想を加えて、どこかの時点で自分の発想を創り出す。

「父ちゃんが考えたのは、こんなのだけど、お前ももっと考えてごらん」と誘導する

と、子どもは考えてしまうのだ。「はさみの形をしている『クマ避け』の鈴。はさみ

を開けたり閉じたりすると、鈴が鳴るんだ」

「それはどんな形なの、絵を描いてごらん」というと、ノートに絵を描く。熊の絵ま

で描くのだ。

「面白いね」と褒めながら、はさみの発想はどんどん広がっていく。これが創造的双

方向親子のアイデアマラソンなのだ。

 学校では、子どもたちは家で父ちゃんと話しているときのように、リラックスし

て、発想に耽ることはできない。また、何かを話すと、他の子どもたちが、ケチをつ

けることもある。

 新島の小学校で、子供向けのアイデアマラソンの話をした時、ケーキの上に載せる

もの何でも構わない、言ってごらん」と言うと、子どもたちは次々とおいしそうな食

べ物を言及していった。ところが一人の男の子は、「コンクリートブロック」って、

発言した。

 途端に、周りの子供たちは、「あいつ、バカだよ。コンクリートブロックが食べら

れないよ」と声を上げた。

 私はそれを遮って、「分からないよ。ほら石ころに見えるチョコレートを売ってい

るんだから、コンクリートブロックだって、チョコレートになってるかもしれない

よ」と言うと、その男の子はコクリと頷いた。「それと、おじさん(私)は、何を載

せても構わないと言ったのだから、良いんだよ。何を載せても、船をケーキに載せて

も」と言ったら、もう子どもたちは喜んで、「魚」とか、「貝殻」とか、色々な発想

を言い始めた。

 親子でアイデアマラソンの発想大会をすると、この効果は、大きい。子どもが自由

に考えて、ノートに書き留められれば、素晴らしい発想ノートになる。

親子でアイデアマラソンをすると、親も励まされるし、子どもは最高の創造教育を両

親から受けることになる。

 考えてみると、振り返ってみると、我が家では、子どもが小さい時には、頻繁にこ

の発想大会をやっていた。私が眠くなると、眠気覚ましで、子どもと発想大会をした

り、長距離ドライブでも、発想大会をしていた。ヨメサンも加わって大賑わい。この

ような創造の家庭の交流は創造性を呼ぶだけではない。親が子供に愛情を注ぎこむの

は、当然として、子どもが小さい時に、一緒に遊んだり、勉強を教えたりするのは、

普通だ。だけど、アイデアマラソンの発想大会をいつもやっている家庭で育つと、ど

んな影響を受けるかは、想像できると思う。親は強烈な強い、有効期限の長い愛情を

注いで、子どもに育てながら、仕事をしていて、時々しか話をできない場合、強い愛

情と、子どもが創造的に放置されていることに大きなギャップができてくる。

 それが反抗期を造るのではないかと言うのが、私の仮説なのだ。子どもはどんどん

大きくなり、親は少しずつ年寄りになる。子どもの変化をシームレスに見ないで、愛

情だけを注ぎ込むのは無理がある。

 我が家では3人の息子たちは、全員反抗期の徴候を見せなかった。大切に隠してし

まっていたようだ。断じて私が怖いからではない。

 子どもから見れば、自分の創造性をいつも刺激してくれる親(お母さんでも構わな

いし、両親であれば、もっと良い)が、子供の精神的変化と成長を連続して把握して

いると、「反抗期」は起こりにくいというのも、また私の仮説である。

発想の話を親子でいつもやっていて、反抗の気持ちが散ってしまったのでは。

 こんな状態の場合に、子どもが反抗的になったとしても、その言葉はそんなにきつ

くなかったりすることで、口論に発展しない。

 私が毎日、家でアイデアマラソンをやっていたことは事実だ。その影響が、こども

たちに反抗の前に、発想になったのではないだろうか。そろそろ反抗期という子供た

ちがいる家庭でこれを再現実証してほしい。

 子どもたちは、反抗期はなかったが、大人になったあと、私には厳しく、言いたいことを言う。かあちゃん(ヨメサン)には、子どもたちは優しい。

「お前、とうちゃんにそんなきついことばかりをよく言うな」と言うこともある。これって、反抗期が大人になってから現れたのかしら

考えるヒント 小学生の子どもたちの前で何かを話して欲しいと言われたら、あなた

のとっておきの話は何か?

ニュース

(1)昨日9月25日に、キンドル本で、「大学生のための必修アイデアマラソン -大

学に入学したら始める最初の習慣」(キンドル版)を出版しました。

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大学生には、必ず役にたちます。

(2)去年(2019年)の春に、英国のロンドン大学のクリス・ホッグス教授の講義

で、アイデアマラソンの話を初めてしたら、本年度もお願いしたいと依頼があり、英

国とZoomかSkypeで来年の1月に行うことになった。ロンドン大学からゲスト講師の委

託状が来ることになっている。コロナさえなければ…。

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