考えるヒント あなたのチームのアイデアマラソン

あなたが自分のチームを持っているとしよう。営業でも、技術でも、業務でも構わない。あなたがチームのリーダーだ。あなたにとって、とても大切な虎の子のチーム。チームのムードもやる気もすごく良い。参謀との関係も良い。このチームを社内最高の最強チームにしていくために、あなたのチームでアイデアマラソンを開始することを勧めたい。

 アイデアマラソンは知恵を出し続けて、書き留めて顕在化させ、共有を可能にして、蓄積する中で、最良の方策を、最適のタイミングで使っていくことだ。

 まずは、あなたが自主的に、率先して、一人でアイデアマラソンを開始してみよう。1冊のA5サイズのファイルノート(20穴ルーズリーフ細罫)を手に入れよう。そこに、毎日数個の発想を思いついて書く。発想の領域は、仕事に限らない。生活であっても、人生に関係していても良い。家族のことは大切だ。自分の身の回りの品物を進化させても構わない。「こんなものがあったらよいのに」発明しても、もちろん良い。アイデアマラソンは、基本的に毎日思考して毎日書きとめる習慣化練習なのだ。ただ、人の悪口、家族、自分の会社、顧客の悪口は書かないでおこう。計画を書いても良いし、日記を書いても構わない。

アイデアマラソンのルール

1.毎日、何個かの思いをノートに書く。

2.できるだけ絵を付け加える

3.発想に日付、連続番号を付ける。

4.発想と発想の間に1行空ける

5.面白い発想は、周りに話す。

6.蓄積した発想の中から最良のものを実行する

 アイデアマラソンを実行するのは、余った時間、喫茶店に入った時、電車で座った時、駅のプラットフォームで、ほんの短い時間を待つ時に、ノートを取りだして、考えよう。ノートには自分の好きなボールペンを挟んでおくとよいだろう。

 もちろん仕事の関係で、懸案事項の解決策、危機や心配予知も、さっと書いておこう。あくまで仕事の関係にこだわらないでいると、かえって仕事の関係の良い思い付きを得たりするのだ。

 これを少なくとも1カ月は続けて、書き留めた発想が50個になったとする。その中には仕事の発想が20%程度入っているとして、10個。これらの中で、一番面白い発想やユニークな発想をいくつか取り出して、あなたの参謀やチームのメンバーに話してみよう。

 一つでも、「面白い。それやってみませんか」とメンバーから言われたり、えらく受けたら、もうそれまでの1カ月は大成功。いよいよアイデアマラソンをチームで開始する機運が出てきた。チームは、あなたと参謀の副官、そして4名のチームメンバー、全員で6名としよう。

 会社のチームの会議で、アイデアマラソンの開始を勧めるよりも、昼食後の30分、あるいは仕事を終わったあと、喫茶店で、(あなたの奢りで)コーヒーを飲みながら、ケーキを食べていくときに、切り出すのが良いだろう。

 「実は、知っている人もいるかもしれないが、私は、ほら、このノートで、アイデアマラソンを、1か月間やってきました。このノートには、私の思いついたこと、単なる思いも、日記も、そしてもちろん仕事の関係も書いてきた。君たちも分かっていると思うが、当社は、今、内外の大変な競争の波をかぶり始めているよね。それに受け身だけでは生き延びられないかもしれない。それに対抗するために、知恵を溜めて、チームで活用することを始めたいんだ。ほら、みんなに1冊ずつ、新しいノートを用意してある」

「コーヒーとケーキが喉に詰まりますね」

「何を考えて、書いてもいいんだ。日記だってかまわない。夢を書いても良い。ただし、仕事の関係で思いついたら、必ず書いて欲しい。悪口は書かないのが良い」

「じゃ、何を書けるのですか」と突っ込み。

「きついなあ(笑い)、まあ、毎日、ノートを家に持って帰って、また会社に持ってきてほしい。君たちのノートは誰も見ない。私も覗かない。発想数だけは、毎週尋ねるよ。そして、約束する。毎日考えて毎日書くと、数カ月で、みんなの創造力は大きく向上する。これがアイデアマラソンだよ。もっとも大切なことは、やる気なんだ。会社だけではないよ。自分の人生も思考で向上させることができる。

1年後に、一人が500個の発想を書き残し、チームで3000個の発想に達したら、全員で記念祝賀会を開こう。ああ、それと面白い仕事の発想があったら、遠慮なく話して欲しい」

「分かりました」

「何か大変そうだ」

「何書いても良いんだよ。私はこのチームでアイデアマラソンを成功させて、全社に向かって、全社員実行を進める運動を開始しようと思っているんだ。今まで、全社員でアイデアマラソンを実行してきた会社がいくつか出ているらしいよ」

考えるヒント

(1)あなたは、どんなチームを持っていますか。

(2)チームの目的は何ですか?会社だけでなく、研究所のチームも、スポーツのチームも、家族としてのチームもあるでしょう。

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