考えるヒント アイデアマラソン哲学 10 仮説群 その4 メタ発想の効果

アイデアマラソンの最大の特徴は、毎日思考を書くということである。なぜ毎日書くことが大きな創造的影響を与えるのだろうか?

 毎日書くことで、創造的影響がでることもあるが、36年間アイデアマラソンを続けてきた結果の考えでは、毎日、「今日何について考えて書けば良いのか」と考えて、課題を作り出して、課題に沿って考えて、書き留めてきたことだ。つまり、高い視野や視点から自分を見ることができるのは、メタ行動である。

 全く何も考えていない状態から、「何を考えるかを考える」というのを、毎日続けてきたのだった。もちろん、アイデアマラソンを開始する前に「今日は、~について考えよう」とか、「新しい本を書くとすれば」とかを考えることは、良くあった。

 アイデアマラソンは、生きている限り、毎日白紙の状態から考えるわけで、それを36年間に13000回も繰り返してきたのだ。脳が影響を受けざるを得ないと思う。

日刊紙の4コママンガは、毎日出すとすれば、よく似たものだ。

 アイデアマラソンをしていない時でも、「何を考えるかを考える」というメタ的な思考が脳に浮かぶ。会議の時でも、歩いていても、メタ思考が脳に浮かぶようになる。これは面白いと思う。

 メタ思考は、研究者、発明家、開発者には必需品だと確信している。今までに約50万個の発想を出してきたが、先日気がついた発想として、メタ的な課題の発想ばかりを50万個から集めるのも面白いと思っている。それらメタ思考で出たメタ発想ばかりを集めて、そこから更にメタ的思考を出すと、これは「メタX2思考」となり、更に高いところから睥睨できることになる。これを重ねていくと、「多重メタ思考」を得られる。

 一つのメタ思考を書きとめることで、多数の通常の発想を出すことができる。私は36年間で、その行動に慣れてきた。逆に平凡な発想をいくつか見ていて、メタ発想を思いつくこともある。

 一つのメタ思考テーマを見つけたら、私の場合、そのテーマからどれだけ多くの発想を作り出すことができるかで、毎日50件ずつのアイデアマラソンを進めることができる。1つのテーマで50個まで引っ張れるかを、毎日無理矢理やっている。自分の脳にはずいぶんお世話になったと思う。

 この状態から、メタ直感も出てくる。「こうしてみたら」とか、「それがビジネスになるのでは」というような感覚である。更に似たものとして、メタ決断というようなこともあるだろう。長い人生を支えてきたのは、メタ好奇心だったと思う。色々なメタ的行動をとる人は、とほうもない洞察力と決断力を持つことになる。

 メタ思考は極めて重要であるが、メタ思考だけに囚われてはいけない。メタ思考は、通常の思考の親玉だが、通常の思考とメタ思考を交互に眺めて考えることが、発想を安定して伸ばしていくことになる。

 私は良く「鷲の目」を例えに出す。鷲は数百メートル上空という超メタ的な高さから、草むらのほんの7センチほどの野ネズミを見つける。それが仕事だ。野ネズミが草の下から近くの石の下へ瞬間的に移動するのを、瞬間的に目の端で捉えるのだ。その後、旋回して、音も無しに急降下して野ネズミを捕獲して、飛び上がっていく。この鷲の目こそ、メタ行動なのだ。アイデアマラソン哲学を続けると、メタ思考に強くなる。

考えるヒント 

自分にとって、何か大きなテーマを考えてみよう。自分の人生を通して解決したいような大きな、重要なテーマだ。

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