人生の最高の体験

今までの人生で、海外生活を21年すごしたと言うと、よく尋ねられるが、

「海外生活で一番素晴らしい体験は何ですか」

私の答えは、

「世界中、色々な国々にたくさん友達を作って、その友達の家に家族で泊めてもらったことが最高の体験です」と答える。

 最初はナイジェリアで出会ったフィリップだ。彼はフランス人で衛生陶器の着色剤をアフリカ中に売る仕事をしていた。ナイジェリアでビール瓶製造工場の設立を当社が関係していたので、当社の事務所に頻繁に立ち寄っていた。私は彼を自宅に招待して日本食を提供した。お別れ前に、彼が「私の(中部フランスの)家に来れば、泊れるよ」と言っていたので、パリからレンタカーでロアール川の城を見たあと、小麦畑の中に広げた広い芝生の美しい家に到着した。フィリップは、農家を大改造して、おとぎ話にでてくるような美しい家を建て、世界中から集めた美術品を並べていた。そこでは大歓迎を受けて、毎日2本ずつワインを飲み、近所を歩き、村に買い物に行った。

 フィリップのフランスの家には3度訪問しその都度素晴らしい滞在になった。その後、フィリップは、彼の養子した息子がモロッコの王室のお姫様と結婚したので、モロッコの第二の都市マラケッシに移住したので、2度訪問している。

 フィリップは日本にもやってきて、私の狭い自宅に泊まり、京都を案内している。

 フランスには、サウジ時代の知り合いになった別のフィリップが地中海側に住んでいて、彼のところにはまた3度訪問している。奥さんはお料理の名人だった。3度目は彼の海岸の小さな別荘の鍵とワインの入ったポリタンクを渡されて、「いつまでいても良いよ」だった。

 同じくサウジ時代の英国人の友人ジェフとは、中部英国の彼の家と南スペインの彼の別荘に合計で4回ほど訪問している。

 上のモロッコのフィリップのところから、バスとフェリー(ジブラルタル経由)、鉄道でスペインのジェフ、フランスのフィリップと訪問旅行をしたこともある。

 ヨメサンの知り合いは、米国の外交官だったが、引退後首都ワシントン近くの牧場を経営し、そこに3回訪問している。朝の美しさの中で、朝食をベランダで取っていた。そのほかに友人がテキサス州、ジョージア州にいて、それぞれ自宅に泊まっていた。別の友人は、ワシントンに住んでいて、滞在させてもらったこともある。

 ヨーロッパでは、オランダの田舎の絵のような美しい湖畔の城を訪問した。スウェーデンでは、真夏だと言うのに寒い雨が降っていて、サウナに入り、大きな夏祭りに参加した。数百人の参加者に、

「この中で一番遠くから来た人は?」という質問に、長男が「東京」と答え、

私と長男が二人で舞台に上がった。すると、ばらばらになった木製のパズルを渡され、

「これを組み立ててください」という。

 長男が心配しそうな顔をしていたが、私は直観で、(分かった)と組み立て終わり、木製の燭台を作り上げた。大きな歓声を受けて、舞台を降りた。そのスウェーデンの友達は、庭で大型のヨットを自分で作っていた。

「これで世界一周をするんだ」と冒険家は、言っていた。

ただ、これらの友人たちとは、パソコンの出現以前の付き合いであったから、eメールが分からず連絡が取れないでいる。

 もちろんサウジにも友人が何人かいる。身元引受人にもなってくれるだろう。

 まだ他にも友達が残っている。観光旅行でホテルに泊まるのも良いだろうが、自宅に家族で泊めてもらい、家庭料理を食べて、近隣を案内されたら、エピソード満載で、生涯の思い出となっている。

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