考えるヒント ビールのつまみ

私はビールのおいしさは、ビール本来の味、のどの渇き、環境温度と湿度、ビアマグ

の温度、そして大事なのがおつまみだ。

1967年の夏に、大型石炭船に載せてもらって、北東クイーンズランドのグラッドス

トーン港に到着した時、迎えにきてくれた青年商工会議所の会員が、

「ようこそ。さあ、一杯飲みに行こう」と、車に荷物を載せたまま、連れて行ってく

れたパブのビールの味は、最高だった。超乾燥している、緊張している、よく冷えて

いる。そして現地のポテトチップスSmith’sの旨さ。

(荒れ狂う台風をぶち抜いて、オーストラリアへ無事着いた)と船の10日間で、到着

した直後は、足元が揺れている感じがしていたが、今度は強いビールで頭がグラグラ

しながらも、ホッとした。

オーストラリアでは、よくパブで飲んではポテトチップスを食べていた。

 物産勤務の33年のうちで、最初の駐在3年半は、ナイジェリアだったが、ナイ

ジェリアで自宅で冷やしたビールを飲んでも、外で食事で飲んでも、良くお腹を壊し

ていた。

ビールが相当怪しいと今も思っている。もちろん生水は飲めないので、水道の水より

はましだが。

 下痢と発熱があれば、ナイジェリアではマラリアを疑ったが、下痢だけだと、私達

は「現地化現象」と呼んでいた。

 私がイベシェという島のヨルバ族の名誉酋長になった時、ヨルバ族の大酋長からキ

ラキラの冠をもらった(今も大切にしている)が、その就任式の後の記念披露宴で、

大酋長が私の持参した冷えたビールを日本指でそっと触って、「こんな危険なものは

飲めない」と言ったので、村の売店で、冷やしていないビールを買いに行かせたこと

を覚えている。

ナイジェリアでは腹を冷やして下痢をすると、体が弱り、マラリアをはじめとする感

染症がどどどと出てくる可能性があり、死に至ることもあるという。恐るべきおいし

さなのだ。

 8年半のサウジアラビアの禁酒時代は、健康そのもの、まさに奇跡の肝臓機能強

化、ガンマーGTP低下期間だった。当時私は28歳から36歳という、本社にいたら商社

マンなら毎日飲み続ける日々だったのではと思う。その分、この時期にサウジアラビ

アに生活していたので、今日になってその利点が効果を出しているのかもしれな

い。サウジアラビアにも、アルコールゼロのムッシービールがあったが、どうやっても

2本は飲める代物ではなかった。

ベトナム・ハノイ、ネパールカトマンドゥもよくビールを飲んでいた。ほとんどピー

ナツがおつまみで塩分まぶしだった。ハノイではビアガーデンをビアホイと呼ぶが、

ハノイの風物詩の大きなタニシを大鍋で炒めたものをつまみにして飲んだビールも旨

かった。

ハノイから3時間車で行った港のハイフォンでは、旅館の下のレストランで、大きな

岩がにの茹でた熱々をむしってビールを飲んでいた。「蟹さん」という言葉の発音が

難しかった。特に子持ちの雌の蟹さんを注文したくて、手まねで、はさみチョキ

チョキとお乳の形を見せたら、店のおばさんが、ほとんどひっくり返って笑い出

し、彼女がキッチンに注文しに行って、キッチンで料理している全員が笑い出し

た。お客もみんな笑って、すごく受けた。

定年退職した後、やはり尿酸値も気になることで、ビールにも自主規制をすることに

した。それが「隔日ビール制」だ。

今日、普通のビールなら、明日はノンアルビールとする方法だ。一週間が7日だか

ら、2週間は、異なった曜日にビールを飲める。自分で決めたルールだから、結構緩

くて、友だちと飲み会があると、ノンアルの日でも、アルアルの日に切り替えること

ができる。ただし、次の日はノンアルになる。海外出張している時は、やはり何とか

かんとか理由を付けて、毎日飲んでしまった。疲れた日、うれしいこと、悲しいこ

と、大きな事件、アルアルの日に変わった。

毎日ビールを飲んでいた時には、さほどおつまみを意識しなかったが、2日に1度に

切り替えてからは、おつまみを意識するようになった。私のように中期高齢者の入口

に立つ者は、どんなつまみでも良いというわけではない。特にビールやおつまみを美

味しくするのは塩分だ。塩分過剰は避ける必要がある。

すでに我家では、私のお醤油はスプレー式にしていて、生卵醤油も生卵スプレー醤油

6回とかになっている。そうなると、大好きなブルーチーズ、パルミジャーノはアウ

トである。干し魚、明太子も危ない。餃子も醤油たれをタップリ浸けると危ないので

お酢で薄め、スプレーすることにしている。ラーメンは論外で、もう数年、大好きなラーメンを食べていない。ラーメンは、1杯で1日の許容の1.5倍の塩分になる。麺にも、汁にも塩分たっぷりである。これはアウト。

できるだけ塩分摂取を抑えて、ビールを美味しくするために、他のファクターを最大

にすれば良いので、飲む直前に仕事をするとか、自転車プッシュの5キロの散歩をす

るとか、厚いガラスのビアマグを冷凍庫で凍らせておくとかしている。

それでもおつまみが恋しい。そこで近くのコンビニで、カルビーの「うすしおのポテ

トチップ」を買ってしまう。家に帰ると、ポテトチッポ(我が家では、昔からポテト

チッポと呼んでいる)を、食卓の下に隠してしまう。ヨメサンがうるさいのだ。

ここ数年、とくにヨメサンの食品キャンペーンが始まり、おつまみに限らず、含有添

加物を袋の後ろやレジのタグの印刷の含有物一覧を読み上げて、

「こんなものは食べちゃだめ。ほらこんなものが入っている。お願い、買わない

で」と、1.3オクターブ高く、2デシベル大きく言う。私はほとんど、無視。そのく

せ、見つけた私のポテトチッポを黙って食べるヨメサン。

私はヨメサンの大きな秘密を知っているのだ。ヨメサンがハウス食品のオーザック大

好き人間で、いつも食べている。さらに決定的なのは、ヨメサンが冷蔵庫に隠してい

る山崎のぶたまん(4個入り)。これをコソコソ食べている。

「なんだそりゃ。ぶたまんのラベルに書いてある添加物を読んであげようか」と言う

と、

「私ね、美味しいぶたまんを造るための研究をしているのよ」と言い訳をしていた。

「これが美味しいの」と、自己矛盾の塊りがヨメサンである。

考えるヒント これぞ私のオリジナルのビールおつまみを考えよう

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