考えるヒント 行くか行かないかそれが問題

今年(2020)の3月の末に10日間ほど、セブ島に英語の研修にでかけようと計画していた。私を含めた家族の3世代だった。私は以前から海外で開かれた学会で、英語で発表してきたが、それをもっと磨こうとしていた。下の世代は英語の中級と入門だった。10日間、英語漬けの日々を過ごそうと思っていた。

1月の半ばにセブ島で有名な英語学校に連絡を取り、見積もりをもらい、申し込もうと思った直前、フィリピンのルソン島南部にあるタール火山が大噴火した。

 これには仰天した。たちまちフィリピンに行くことが不安になってしまった。

これは海外の特定の国で発生している事件は、自分が関係している人や場所に隣接している、すぐ近くで起こっていると考える傾向がある。これを私は「海外事件隣接感バイアス」と名付けた。たとえば、サウジアラビアに駐在していて、エジプトの事件で心配になって父親が私に電話してくるようなことだ。日本からみると、セブのすぐ近くで火山が噴火しているように見える。

更に、2月に入りさらにコロナ新型肺炎が中国武漢で広がり始めた。

火山やら、コロナやらで、「こりゃ、だめだ」と思いかけた時、フィリピンの問い合わせしていた会話学校から、「セブでは、火山の影響はまったくありません。また新型肺炎もこちらでは感染者は少なく、問題はありません。ご安心ください。また学校では、ウイルスの殺菌、体温測定などしっかりと、毎日、検査しております」と“励まし”のメールが入った。

「さあ、どうする」と思った時、ダイヤモンド・プリンセス号が横浜に着岸して、感染者が香港で下船したとのニュースがはいった。そして、新型肺炎は武漢では燎原の火のように 、その後世界に広がった。

 かなり以前から計画してきたことだったので、フィリピンには行く気満々だったが、これで海外に出て行く気持ちは完全に消えた。

 火山の噴火の前に、申し込みをして、前払いで費用を支払い、フィリピンに出かけていたら、帰国できなかったかもしれないし、帰国後自宅で謹慎となっただろう。前払いをした後、キャンセルしたら、返金は、キャンセル費用を取られただろう。大トラブルになっていたかもしれない。

いずれにしても、一つタイミングを外して一歩でも前に出ていたら、様々なトラブルに見舞われただろうと思っている。タール火山が噴火しなかったら、私は申し込んで、送金していただろう。何が幸いするか分からない。

 自粛の時代に、空を見上げると、羽田に着陸する旅客機のお腹が見える。まったく乗客無しで飛んでいる飛行機もあるという。本当に悲しい状態だが、このパンデミックの荒れ狂う時は、じっとできる限り自粛し、夜は家族と過ごし、3密を避け、外酒を避け、外出も避けるしか、方法はない。

 しかし、近い未来に、ワクチンが完成し、ワクチンの実施が行われたら、まず日本国内の観光地と国内旅行は、ブームになる。温泉入りたい。素晴らしい景色でゆっくりしたい。もう私たちの気持ちに溜まった“旅行したいストレス”は、相当圧力が高くなっている。

 今でもレムデシベル、そして次にアビガンと、治療薬が承認されていくのだろうが、新型肺炎になった後で、これらの薬で治癒するのは、悲しいし、きつい。

 やはり、ワクチンの投与までは全然安心できない。それがいつになるか、そしていつからワクチンが効果を示すか。私もヨメサンも、国内旅行には意欲的だ。私の予想では、ポストワクチンには、空前の国内旅行ブームが訪れる可能性がある。それまで観光地の皆さん、JR各社、航空各社頑張って欲しい。

 では海外旅行は、ワクチン完成と投与後も、海外旅行はゆっくりと再開するだろうが、多分国内旅行と較べると、2,3年は立ち上がるのにかかるだろう。

 今回の医療崩壊をきたした国々、医療従事者を責め立てた民衆の国々はやはり危なくって、当面行く気が起こらない。

 それもいずれは、解決するだろうが、今回のコロナで生じた超恐慌のために、世界経済がマヒ状態になっていて、海外の観光どころではなくなるかもしれない。

考えるヒント

(1)ポストコロナ(ワクチンが投与された後)の、人生のストレス発散の行動計画を立てよう。

(2)対大災害、対大地震の備蓄に、対新感染症への備蓄を考えよう。

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