考えるヒント 知の毎日連鎖反応

十数年前に、関西の夙川(しゅくがわ)の大手前大学で、アイデアマラソンの講演をしたことがある。その時、一人の女子学生が、私の話を聞いて決意した(という)。四月の新学期が始まったころだ。

「私は今日から、アイデアマラソンを開始する。毎日、マンガを描く。絶対に描く」ということ。

 大手前大学は、有名なメディア・芸術学部のマンガ専攻がある。マンガが日本の一大輸出項目となっているのはご存知の通りだ。マンガのおかげで、日本と日本人に憧れる欧米人は非常に多い。だからマンガ専攻は、その裾野を広げる野心的なものだ。

 大手前大学の理事長が、アイデアマラソンを実行されていたことから、私がその大学で講演をした。もちろん私はその女子学生が私の講演の日にマンガを描き始めたのは知る由もない。多分1年生だっただろう。

 それから10カ月後、大手前大学の副学長が私に電話を掛けてこられた。その女子学生は、あるマンガの優秀賞を取り、更にその体験を学内の弁論大会で優勝したとのことだ。

 彼女が言おうとしたのは、たった一つ、私の話を聞いて、「マンガを描きたいために、この大学に入った。だから、アイデアマラソンを続けたい」ということだった。たった1年で、彼女は大きな自信を付けた。今も、どこかでマンガを描いているにちがいない。

副学長は彼女の大きなスケッチ帖を弁論大会で見せてもらって、大きく感激したという。素晴らしい絵が拡がっていたという。

実は、その副学長も私の話を聞いた日から、アイデアマラソンを始めていたのだった。そして、彼は毎日いくらでも発想がでるとして、どんどん書き留めて、その発想の中から、学術論文をたくさん書いたという。

同じように、建築学や建築デザインなら、毎日自分の頭に浮かぶデザインを描きとめることを挑戦して欲しい、服飾デザインでも同じだ。毎日、自分の頭に浮かぶ服のデザインを描き留めていくと、いつかは、かならず、素晴らしいデザインを描いてしまうものだ。考えて、考えて、毎日描いていることで、その独創性が育まれ、知らない間に大きな力になって、爆発するような自信のエネルギーになる。

 新しい料理でも、ケーキ屋さんでも、まったく同じだ。毎日性をベースとした継続力が、きっと素晴らしいデザインを生み出す。思考を集中して、継続していると、人は、必ずいつかは強烈な光を発揮するネタを作ってしまうものだ。

 自分の目標とするものが決まっていなくても構わない。とにかく毎日、自分の思考の中から何かを考えだして、ノートに書きとめて欲しい。私は、その自信を持った日本人がどんどん増えていけば、マンガだけでなく、様々なデザインで、日本は独創性を誇ることができるようになる。

 あなたは、将来何をしようとしているのか?今始めれば、続ければ?

考えるヒント 

(1)自分が将来なろうと思っていることを考えて、描き留めておこう

(2)自分が将来やりたいと思っている仕事は何かを考えて、5件書いてみよう。その1つでも当たれば、あなたは素晴らしい未来予測の力を持っていることになる。

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