考えるヒント アイデアマラソン哲学 23 その1 いつ、どこで、なにから発想を出すか。そのタイミング

「いつでも発想は出せる」と言えば、身もふたもないが、逆に言えば、いつ発想が出るか分からないこともある。

 視覚、臭覚、触覚、聴覚などの連想で突然発想が出てくることがある。それらの突然でてきた発想は、ありがたくノートに書きとめることだ。気がつかないほど小さなヒント(マイクロヒント)で、人は連想をしているのかもしれない。これらは「向こうから来る発想の時間」(Idea Keep-Receiving Time)と名付けた。これは本当にいつ発想が来るか分からない。起きた直後、歩いている時、電車に乗って外を見ている時など、食事をしている時にヒントを得るなど、千差万別だ。これらの発想のレベルは通常よりも少し高いことが多い。それは思いついた瞬間に頭の中でその発想の価値を感じ取っていることもある。アイデアマラソンを実践していると、この「向こうから来る発想」の重要さは良く分かるようになる。

 アイデアマラソンでは、「まちぼうけ」の歌のように、何もしないで発想が出てくるのをじっと待つことはできない。毎日、何とか発想を出して、毎日の連続性を紡いでいく必要を自分で決めて、自分で行うのであるから、積極的に思考して発想を出す時間を決めることが必要だ。これを「迎えに行く発想の時間」(Idea Go-Inviting Time)と名付けた。

1.絶対にアイデアマラソンを実行する時間

(1)長距離の一人旅行で、交通機関に乗っている時、鉄道では、新幹線でも在来線でも、数時間乗車して、座席に座れたらまずノートを取りだして、考え始める。数十分ていどの電車では、私はNHKのラジオ英会話の暗記確認をすることが多い。それでも「向こうから来る発想」に出会えば、メモ帳にキーワードを書き留める。駅のプラットフォームや待合室でもメモ帳を活用する。

(2)飛行機利用の出張となれば、ゲートで待っている間と座席に座ってシートベルトを締めたらすぐにアイデアマラソンを開始する。トランジットで数時間のレイオーバー(途中乗り継ぎ待ち)も同様にノートを取りだし、「迎えに行く発想」時間だ。クルーズ船でもまずはアイデアマラソンが生活の基本である。

(3)仕事が終わった後の喫茶店では、ほぼ間違いなくノートを取りだして発想を考え始める。友や同僚との待ち合わせでも、たとえ15分であっても、その喫茶店で会うことになっているならノートを拡げる。

(4)まだアイデアマラソンをしていない日の寝る前。これは当然だ。

(5)寝られないで悶々としている時、アイデアマラソンを開始する。そうすれば眠気がくる。

(6)高価すぎるホテルに宿泊してしまった時の夜中。

(7)図書館の大きな読書テーブル

上記は、私が思い出せる限りの絶対のアイデアマラソン実施のタイミングである。

2.発想を出したことがあるその他のタイミング

(1)まず起きて、朝食を済ませた後に出発まで時間があればアイデアマラソンだ。

(2)通り、地下道、商店街を歩いている時に思いつけば、手帳に書くか、手帳を出すのも面倒であれば、ICレコーダーに2度録する。

(3)あらゆる場所での人との待ち合わせ

(4)プラットフォームで10分以上あれば

(5)一人で外食で注文品が来るまで

(6)起床直後、就眠直前

(7)風呂、シャワー (どのように記録するかは工夫)

(8)会議中に連想して

(9)講演会を聞いていて

(10)読書中

(11)授業を受けていて

(12)自宅の自分の机や食卓で

 これ以外の発想の出るタイミングは、一杯あった。

3.絶妙な「迎えに行く発想時間」と「向こうから来る発想時間」のコンビネーション

 素晴らしいのは、発想を迎えに行っていたら、向こうからもっとすごい発想がやってきたということだ。これをセレンディピティと呼ぶ。その意味は、何かを探していたら、もっとすごいことを見つけてしまったということ。

 昔、ある新聞社から横浜に停泊しているクルーズ船の訪問記事を書いてもらえないかと頼んできた。私は大きなクルーズ船なので、4つも大きなレストランがあることから、その台所をインタビューしてはと新聞社に提案したら、私のヨメサンに、そのクルーズ船の上級シェフの訪問記事を書いて欲しいとなった。

 当日のインタビューでは、私はカメラマンだった。ヨメサンとのインタビューの終わった後、上級シェフは自分の執筆したクルーズ料理の豪華本を日本で出版できないかとヨメサンに尋ねてきた。そしてヨメサンが出版社を探し、長い時間を掛けてやりとりがあり、その本が出版された時、ヨメサンは、そのクルーズ船が日本にやってくるときの上級シェフのアドバイザーになり、そのおかげで、私までが、横浜からハワイまでのクルーズに乗ることができた。

 その上級シェフとは、今も家族の付き合いをしている。

4 何から発想のヒントを得るか

(1)ありとあらゆる月刊誌

(2)様々な本から

(3)通販のカタログ

(4)ウィンドショッピングから

(5)飲み会から

(6)映画を見ていて(手のひらに発想を書く)

5 どんな課題を使うか

(1)自分の人生の目的

(2)自分の夢

(3)次の本の目次

(4)仕事の課題

(5)様々な予定

考えるヒント

自分に一番適した「向こうから来る発想時間」と「迎えに行く発想時間」を考えなさい。

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