考えるヒント アイデアマラソン哲学 24 溜めた発想の個人とグループでの実行・実現

1.一人のアイデアマラソン哲学

アイデアマラソン哲学の第一義的な目的が、アイデアマラソン哲学を実行している本人の創造的能力を大きく向上させることにある。

 アイデアマラソンによって、思考力、即書き留め力、継続力、集中力などが実行している本人自身の力で、本人に自然に備わってくるのであるから、とても大切だと分かるが、アイデアマラソンの最終の目的は、思考し、書き留められたことの実行実現にある。

 つまりせっかく思考し書き留められた発想は、実現されないともったいない。また実現を求めている。すでに個人の実行するアイデアマラソンの効果も意義も説明したので、その効果から会社を潤したり、大学での研究と教育に役立て、学生たちに様々な新しい挑戦をさせることもできる。また自分の人生、家族の未来をアイデアマラソンの発想を通して、豊かにしていくことも可能だ。

 個人でアイデアマラソンを続ける場合も、本人を継続支援する人がいれば、なおさら良い。配偶者でも、恋人でも、子どもたちでも、友達でも、だれかがあなたのアイデアマラソン哲学の継続を温かく見守ってくれることが、大きな役割となるだろう。

 私の場合は、私のヨメサンだ。この人は自分の子どもたち以外の人には厳しく接触する人で、私が会社の仕事で疲れ切って、遅く帰宅して、「あ~あ、これからアイデアマラソンをしないと眠れない」と言うと、「そんなもの、やめなさい。くだらない」と言う。私はそれを聞いて「なにくそ、絶対にやるぞ」と発奮して思考に集中するのだった。こんなことが数百回あった。ヨメサンの逆方向の継続支援がなかったら、ここまで来れなかったかもしれない。まあ、毎日毎日、新しい発想を思いついては、その度に話してくる旦那は、うざくなることは理解できる。

 通常の家庭では、やはり同じ方向で継続支援し、家族なれば書かれた発想を面倒でも(心の中は知らないが)温かく聞いて、受け入れて、「それ面白いねえ」と言うのがまともだ。息子たちたちが、良く私をこのように励ましてくれていた。しかし、ヨメサンは、博士論文の時も、「そんな面倒なこと、止めなさい」という励ましで、ここまで来れたのだと思う。

2.みんなでやるアイデアマラソン哲学

(1)まずはやる気を問う

一人ですら長期間に人生を変えるほどの大きな力を示すアイデアマラソンだが、これをグループで、あるいは大集団で行うとなると、理論的にはすさまじい核反応が起こる。この核反応を起こす起爆剤になるのが「やる気」「危機感」「使命感」「強い向上心」「ハングリー精神」である。しかし、これらの起爆剤が爆発温度に達しなければ、いくら創造性を爆発させようとしても、不発に終わる。

 日本の企業では、戦後はこれらの要因はすべて揃っていた。だからこそ、当時の年代は、必死になって仕事をしていた。それが現代は、充足の時代に入り、無理をしなくてもということになった。これらの起爆剤は、中国に移っていった。このままでは、技術も、考案も、生産も、すべて中国に飲み込まれてしまうことになる。

 つまり未来を見ると、ほんの10年でも向こうには、日本及び日本人の生活環境と国際収支の悪化は、明らかである。国際競争力は低下し、教育のシステムは陳腐化し、マンネリと化している。そのために、何か大きな改革をしなければ生活レベルの大幅な低下を招くことになるだろう。著者は、数十年後には世に存在しないだろうが、日本がこの凋落の一途をたどることは絶対に耐えられない。

 これを防ぎ、我々の国家、家族、子孫が国際的にも立ち向かっていくためには、まずその「やる気」「危機感」「使命感」「強い向上心」「ハングリー精神」を醸成する必要があるだろう。その上で独創的な創造性を積み上げていく必要がある。

 企業や研究所にて、アイデアマラソン哲学のような一人一人の創造性を活性化し、束ねようとするとき、これらの「やる気」「危機感」「使命感」「強い向上心」「ハングリー精神」が起爆剤、燃料、結合剤、推進力になる。

 これらの基盤要因は、アイデアマラソン哲学の必要性を認識した後輩たちが今後、広くアイデアマラソンを教育界、社会、企業、研究所にて進めていこうとするときに前提条件として考えていただきたいものだ。

 グループでアイデアマラソンを行う時に、ある人はこれらの基盤要因を理解しているから必死になって、発想を溜めるが、他のメンバーがその危機感などを持たなければ、このグループアイデアマラソンは到底成り立たない。

 いつまでも、個人の創造性のトレーニングとして、アイデアマラソンが存在することになれば、未来の日本を創り上げていくことは難しい。企業の場合も研究所の場合も、徹底的な思考の書き留めを目指し、それらの発想を仲間の内で徹底的に議論し、新しいものを創り上げていくことに全員が協力して初めてアイデアマラソンの中で記録された様々な独創性が生きてくる。

(2)グループアイデアマラソン

 やる気が全体に漲ったとき、グループでアイデアマラソンを進めて効果を狙えるが、基本的にはグループの全員がアイデアマラソンを実行していることになる。社長から新入社員、あるいは内定者までが、アイデアマラソンを実行してきて、その効果を個人的に熟知していることで、国家機関も、企業も、研究所も、大学も、大学の研究室も活性化される。

 グループの中では、全員がアイデアマラソンの実行者であると同時に、アイデアマラソンの発想の実現のための様々なタイプの要員となる必要がある。

 トップの決定者(Decider)は、グループアイデアマラソンを全社的に推進して、やる気を燃やし、危機感を説明し、世界に誇れる独創性の製品やソフトを勇気をもって進めていくことができる。

 アイデアマラソンの進め方としては、グループの中に、選ばれたメンバーが、①シーズ(Seeds)を提供し、それに従って、みんなが考えてノートあるいはPC、スマホに書き入れていったり、②ニーズ(Needs)をグループに提供し、全員が考えて発想を出す。もちろん③自由な発想を書きとめて、選ばれた素晴らしい発想を、社内や研究所の中で議論を沸騰させる方法である。

 アイデアマラソンは、将来、個人がノートに書きとめれば、OCRなどの発達で、任意に、デジタルデータや情報に自動変換できるようになる。

 大学の中でも、学生の個人の素養はアイデアマラソンを個人で実行していることである。その実例としては、岡山市の就実大学の経営学部では1年生が全員アイデアマラソンを実施し、過去6年の実績となっている。

大学の研究室などでは、グループアイデアマラソンを進めることができる。すでに神戸大理学部化学科の持田教授の研究室、和歌山大学の社会システム工学部の吉野教授の研究室、福井大学工学部の大津教授、藤垣教授の研究室では、教授たちが先頭にたち、研究室全員がアイデアマラソンを続けてきている。

 これと同じように企業でも企業の全員がアイデアマラソンを何年間も実行したジャパネットたかた社、毎年の全新人研修や社員研修で、すでに6年以上も続けているPFUなど、企業の中で活用されてきている。

 更に、アイデアマラソンを実行している人の中から、提案された発想を評価できる人、また独創的であるが、それを実行するにはかなりのパワーが必要な場合、アイデアマラソンの実践者で、カリスマ的選択や判断ができる人が出てくる必要がある。

 アイデアマラソンで出た発想はどんなものでも、捨てることはない。無駄にはならない。

考えるヒント あなたがまずアイデアマラソンを実行するとして、誰があなたの継続支援をしてくれるだろうか。配偶者か、恋人か、友人か、子どもたちか?

あるいは、誰と一緒にアイデアマラソンを実行するだろうか。あなたの部下、学生たち、研究員たちはどうか?

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