100歳まで生きるとして、50年間もあるのだ。シルバーエイジであるからと言って、50年間を創造的に過ごせば、今までの50年とはまったく違う才能の世界、美術芸術の世界に生きられるかもしれない。女性の平均寿命は120歳ほどまで伸びている可能性もある。
これまで生きてきた50年間で、一応の社会的基盤を築かれたとすれば、これからは自分の才能を開発活用していく世界に入ることを計画しようではないか。
ルネッサンス時代、平均年齢は(国によってことなるだろうが)30歳未満だった。その中でも、才能を見出し、最善を尽くした天才は数多くいる。あなたが今、50歳でこれから50年間を生きようとするなら、ルネッサンス時代以上に長く生きることができる。それを創造的に活用しなくてどうするのだ。非常にもったいない。
大雑把に分けると、
50歳から60歳を才能発掘練習期
60歳から70歳を才能開花期
70歳から80歳を爛熟期
80歳以降は後輩の指導
としておこう。現在、60歳だとすれば、爛熟期と後輩の指導が少し減るだけだ。
主として考えられるものとして、絵画、陶芸、彫刻、音楽、その他などがあげられる。今後は、電子的な芸術も加わるだろう。
これらのいずれも、始めたら条件としては、10年間の意思を集中した毎日の濃い練習が必要となる。最初の何年間は、誰かに指導を受ける必要があるだろう。小さい時、若い時にピアノをやっていたなら、その感覚を取り戻せばよい。天才性、独創性の発揮には、1万時間(一日に2時間半やれば約10年間となる)、あるいは10年毎日説というのがある。たとえ天才性を内部に秘めていても、それを発揮させるためには1万時間か10年間毎日が必要だ。
昔若い時に、絵を描いていたら、その発展形として今から10年間頑張る。独創性を狙う。
その間も、古代ギリシャの画家アペレスの残した言葉「Nulla dies sine linea(線を描かない日は1日たりともない)」を守って欲しい。その10年間に、目標はたった一つ、あなたの独創性だ。10年間、根を詰め、毎日打ち込めば、才能が動き出す。才能が芽を出す。
その分野が今までまったくタッチしたことのないことであっても、心配することはない。やる気の10年があなたの才能に刺激を与えてくれるだろう。
毎日性を保つことができれば、あなたはアイデアマラソンを実行していることになる。
私は、30歳で、陶芸を始めた。それもサウジアラビアでのことだ。4年間のサウジでの陶芸の体験は、素晴らしい記憶となっている。日本では陶芸は中断してしまった。私はアイデアマラソンの普及のために、今の年になってしまったが、東京から外に出て、陶芸を再開することを夢見ている。それと楽器を一つ学びたい。
考えるヒント 10年を掛けて、何かの才能を開花させるとすれば何をしたいか?