シルバー・アイデアマラソン 19(50歳以上を10倍楽しむ方法)大学に戻ろう

すでに話したかと思うが、私は65歳で大学院に戻った。目的は、アイデアマラソンの創造的効果を立証するためだ。私は人生の後半を、アイデアマラソンの普及に賭けてきた。

 北陸先端科学技術大学院大学(Jaist)の名誉教授の國藤進先生が、アイデアマラソンの効果を大学院で研究してみてはとのアドバイスを受けて、私は2011年の10月に知識科学研究科の宮田研究室に入学した。

 國藤先生の講義の最初の最初に、「質問をしない者には単位を与えない」と言われたことから、私は3つの誓いを立てた。

一つ、まず教室の一番前の真ん中に座ること。

二つ、「はい、今までで何か質問は?」と言われたら、絶対に瞬発的に「はい」と手を挙げること。

三つ、「今日の講義の宿題のレポートは、~について、2週間以内にメールで提出」と言われたら、講義の次の日の昼までに、何があっても提出すること。

 結果的には、この3つの誓いを通した。かならず一番前の真ん中の席に座り、必ず質問の手を一番に上げた(履修科目全部の内で、私が手を挙げそこなったのはたった一度だった)。手を挙げて質問するためには、講義の間、集中して講義を聞き、ノートに質問を書いていた。そのことがレポートを書くにも役にたった。講義が終わった瞬間から、私はパソコンを持って喫茶店に駆け込んでレポートを作成し始めた。その日の、夜中の3時、4時になってメールで送っていた。

 Jaistでの授業は、新しい知識が一杯で、充実していて本当に楽しかった。私は大阪外国語大学の英語学科を一九七一年に卒業したが、Jaistでは、まったく異なった雰囲気だった。先生方は優しいし、丁寧だし、詳しかった。

 私は何人もの先生に学位論文の書き方から、内容のチェックまで指導を受けたが、夜中2時まで指導を受けて、先生が資料を私に送るために、夜中に本校に戻られ、メールをもらったこともある。その熱心さに感動した。学位論文の原稿を、5月のゴールデンウィーク全部を使って、読み通し、コメントをもらったことは、生涯忘れない思い出となった。

 在学中に、3度ジョージア大学のトーランスセンターのセミナーを受けに渡米したことや、海外での国際学会で何度か発表をしたことも、忘れられない思い出となった。

 クラスの中で、親友も何人かできた。学割も使えたのがとても楽しかった。こうして、二〇一四年に67歳で卒業することができた。

 シルバーエイジのみんなも大学に戻ろう!

考えるヒント 自分が学んでみたいと思う課題を、どこで、どの先生に付けば良いのかを、調べてみよう。一歩を踏み出そう。

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